人類史区分
- ドワーフ紀(人類史第Ⅰ期)
- 人類が圧倒的技術力と科学力で地上に君臨していたであろう時代。各地に遺された都市遺跡からは、現代ではおよそ解析不能の素材や文化資料、つまりはオーパーツが多数見つかるが、何故この大成された文明が滅びたのかについては未だ統一された解答は提示されていない。
現在では単純な魔法や魔道具で解決できることに、精密な道具を用いて対処していたことが判明している。このことから、ドワーフ期の人類は総じて魔法が使えなかった、あるいは使えたとしても極少数に限られると考えられる。ドワーフ紀の魔法使用を確定する痕跡は発見されていないため、今日では前者の説が有力である。
- エルフ紀(人類史第Ⅱ期)
- 人類が科学技術への依存をやめ、その発展と繁栄の手段を魔法に切り替えた時代。闘争と差別の絶えない未熟な前期を経て、後期とされる現代は洗練された法が的確に機能した穏やかな時代となった。
悪魔と精霊
どちらも坩界に存在する精神体だが、人間が定めた善悪の基準に乗っ取って恣意的に区別されることが多い。善良な精神体は器を得て物質界に顕現した際に、ギルドに登録、申請することで名実ともに「精霊」を名乗ることができる。
- 坩堝の世界
- 省略して「坩界」と呼ばれることが多い。形而上の世界。精神体の世界。物質は存在できない。
境界が曖昧なせいで「他」と混ざりやすく「別物」になりやすいが、「個」の存在がないわけではない。
悪魔や精霊は、既にさまざまな特質が混ざり混ざって飽和に近い状態のため、坩界でもある程度の固有性を維持している。
- ブラックドア
- 坩堝の世界への出入り口。遺跡周辺(特にエルドラ地区)では、自然発生するブラックドアが度々目撃されている。
魔術師たちの研究により、ブラックドアを開くには「新月か満月」の夜に「特定の場所」で「多量の魔力と引き換え」にするという条件が提唱されているが、信憑性は怪しいところ。
変異体
物質界のものが何らかの要因でブラックドアを通過してしまい、異形化してしまったもの。極端に肥大化したり、翅が生えたりする。
自然に開くブラックドアのサイズは限られるため、変異体となるものは虫や小動物が多い。
遺跡内、遺跡周辺の生息数が圧倒的に多いことから、遺跡に何らかの要因があると思われる。
- 不死蝶
- 蝶の変異体。魔力を栄養として生存、発光する。周囲に多少でも魔力があれば本来死なない。
フレデリカは傷ついた不死蝶を保護して、店のカウンターの鳥かごで飼っている。鑑賞用・研究用であり、売り物ではない。
吸収する魔力の質によって翅の発光色が変わる。この特質を以て店では悪魔探知機代わりに利用している。
坩界由来の魔力(精霊や悪魔とよばれるもの)には赤く、物質界由来の魔力には青く反応。ハイスには特別な色で反応するらしいことが判明している。
魔法(魔術)
物質世界の法則を書き換える力を魔力、その力の発現を「魔法」及び「魔術」と呼ぶ。
大学・学院出身者をはじめとする研究者や探求者たちは「魔法」と呼び、管理局や魔力に縁遠い者たちは「魔術」と呼ぶことが多いが、概ね同じものをさす。
- 魔力保有量
- 元来、魔力は坩界由来の邪悪なものから心身を守るための免疫システムのようなもので、誰でも保有している。
魔力保有量は、月長石に移し替えた場合いくつ分にあたるかで数値化している。
何の訓練も受けていない一般人が0.3mp~0.7mpが標準値、一般的な魔術師でその十倍が標準値。ハイスは2mpほど。
休息や外的要因で回復する。実際に全ての魔力を放出してしまうと心身が危険な状態となる。
多くの魔術師は研究用や有事用に魔力を別の媒体に保存している。かつては月長石が主流だったが、盗まれやすく悪用されることも多く、現在の魔術師の間では「いかにそれっぽくないもの」に魔力を保存するかがトレンドである。
とはいえ、劣化、漏洩、変質を防ぐ魔力保存として性能の良いものが好まれる傾向にある。
フレデリカは、自身の髪、ジョセフの翅(貯蔵庫扱い)、ワーウルフの毛を手に入れてからはもっぱらこれに備蓄。その他、魔道具作り、絶対封印部屋などに日々使用しているようである。
- (魔法)陣
- その場での魔力の循環、固定の役割がある。必要な魔力量や魔力操作の方法が記録されたものでもあり、一度作成すれば面倒な手順を踏むことなく、また失敗することなく同じ魔法が使用できるメリットがある。
有能な魔術師ならば解析も可能なため、他人に使用されたくない魔法は陣に残さないほうが無難だが、大がかりな魔法ほど手順も複雑で繊細になるため陣の有用性も大きくなる。という二律背反を抱えたシステム。
遺跡
人類史第I期(ドワーフ紀)と第II期(エルフ紀)の転換期のものとされる遺跡都市。
魔法発祥の地の有力候補として有名になる一方で、坩界の入り口であるブラックドア発現の地としても名を馳せることになるので諸刃の剣。潔癖な人は周辺には住まないが、一山当てたい商人、冒険者、研究者、魔術師などさまざまな人が集まって賑わう。治安も多少悪化する。
発見された遺跡は全て大規模な都市型で、村落や集落といった小規模遺跡は発見されていない。
- エルドラ遺跡
- フレデリカたちが店を構えるエルドラ地区の徒歩圏内にある。各地に存在する遺跡の中では規模は中の下。半分海底に沈んでいるせいで調査が難航。干潮時のみ探索が可能。満潮時にはまた海底に沈む部分が多くある。全貌は未だ未解明だが、これまでの調査で特質すべき点もなく、注目度はそこまで高くない。
海底に沈んでしまった理由と魔法理論の解明、遺跡全体を覆っていた形跡のある魔術シールドの解析、などが研究されている。
遺跡の一部は一般公開されていて観光することもできる。発見、整理されたものは順次公開できるよう近辺には博物館、図書館もある。
- ゴルド遺跡
- ハイスが「遺体」に偽装されて封印されていた遺跡。遺跡の大部分が墓所や埋葬地、そうでなければ宗教的な意味合いを持った儀式的な場所で構成されている。そのほとんどが既に調査済みで、発見された前時代の遺物も多くは公的な所有物となっている。
冒険者や魔術師にとっては探索利益のないため「死んだ遺跡」などという不遇な通り名で呼ばれるようになり、ほとんど人も寄り付かない寂れた遺跡となった。
魔術管理局
魔術管理法の下、各地域の魔術師を統制する機関。所属する監察官は皆封印魔法に長けた魔術師であり、魔術師を御するための白兵戦にも秀でている。
監察官たちの主な業務は治安維持で、管理法違反者の取り締まり、悪魔憑きの処分、精霊ギルドの管理もそれに含まれる。