S.K.Y.

I'll send these words to them who know that the life is heartrending.


各話のあらすじを、できるだけ短くまとめています。 ※ネタバレを含みますのでご了解の上でご活用ください。

■ACT.10 カウントダウン ゼロ

 サンセットアイランドに住む学者により、一行は肝心の女が既に亡くなっていたことを知る。「死んだ夫がブレいマーとなって甦り、その子供を授かった」という女の話の真偽を確かめるべく、次はルビィを研究していた科学者の研究所が残っているとされる砂漠に向かうこととなった。
 このとき、フレイムの内情は劇的に変化しつつあった。話の中心であるブレイマーの子を産んだ女、そしてその子ども──それはレキである。 本人だけが随分昔からそれを知っていた。本人以外は知り得ない、この先も知る必要のない事実だった。しかし、シオが偶然にもそれを知ってしまう。シオは自分の気持ちを打ち明け、レキに気持ちがないと知りながらも関係を持ってしまった。
 シオへの想いを秘めていたハルは、その事実を知りレキと激しく衝突。それは「フレイム」全体の内部分裂へと発展しようとしていた。

■ACT.11 トライアングル

 ルビィ、ブレイマー、その関連性を探るべく、レキたちは科学者の研究所を目指し砂漠越えに臨んだ。レキとハル、チームのヘッドとサブヘッドである二人のいさかいが他のメンバーにも表面化していく中、エースとラヴェンダーの関係までもが露呈。元よりラヴェンダーに想いを寄せていたジェイはエースに食ってかかるが、フレイムの掟第三条“フレイム的民主主義”の下、あっけなく仲裁された。

■ACT.12 ビターチョコレート

 昨夜のショックと砂漠気候による熱中症で、ジェイがダウン。運よく発見したオアシスでカメレオンシフトした砂漠ペンギンの群れに気に入られ、一行は彼らの助けで無事ジャンクサイドへ辿り着くことができた。
 少グループに分かれて件の研究所とやらを探索する中、ハルは、シオの想いの強さを思い知ることになる。メンバー内の感情の渦は、より複雑なものになっていた。

■ACT.13 デジャ・ヴ

 レキたちはここで全てのはじまりを知る。研究者の家に残されていた日記には壮絶な事実が記されていた。
“ブレイマー”は科学者の手によって人工的に生み出されたものであった。それも彼が愛したたった一人の女性を蘇らせる、ただその理由のためにブレイマーとルビィは作られた。隕石に付着しているバクテリアには再生能力があり、そしてそのクレーターには死者の霊が集まる。結局女が再生することはなかったが、永久保存された彼女の遺体を守る役割にブレイマーが使われた。そしてその制御装置として、ルビィが作られたのである。

「ルビィをクレーターに戻し、ブレイマーの発生を止める」

レキたちは最終目的を再確認した。
 そこへ、対ブレイマー特殊部隊「パニッシャー」を取りまとめる、イーグル大佐が現れる。地方警察でもユナイテッドシティでも、執拗にレキたちを追いまわしていた彼だったが、今となっては目的がレキの生まれに関連していることは本人とシオにとっては明らかであった。
 レキを完全に追い詰めたイーグルだったが、寸前のところで撤退を余儀なくされる。鉄の翼、イレイザーキャノンの完成──ユニオンが開発したそれをクレーターに向けて発射されれば、ルビィを返すことはおろか、半永久的にブレイマーが増殖し続けることになる。
 フレイム一向もイーグルの部隊も、急ぎ「鉄の翼」を目指した。

■ACT.14 ブラックボックス

 鉄の翼の屋上でレキの前に立ちはだかったのは、またもやローズ。彼女の手には、ルビィがあった。互いに銃を向け合いながら、ローズは「レキの秘密」、そのすべてを知っていたことを明かす。すべて──つまり、彼がブレイマーの血を引いていることと、20数年の寿命しかないかもしれないということも含めてである。彼女の一連の行動は全て、ルビィを抹消し、半ブレイマーであるレキの存在を守るためであった。
 互いの存在に気をとられていた中、イーグルの部隊が到着。ローズはレキを庇って致命傷を負った。当初の絶対目的であったはずのキャノンの発射も阻止できず、一行は悲嘆にくれて雨降らしの里へ身をよせる。
 レキはローズを救うため、治癒力のあるブレイマーの血、即ち自らの血液を皆が見ている目の前で使った。明かされた真実の重さに、それを今の今まで隠し通されてきたやりきれなさに、フレイムメンバーはそれぞれ心に痛みを抱えることになった。

■ACT.15 フラッシュ

 それでも、レキとハルの亀裂は修復されなかった。突如暴れ出した、シオが「ともだち」と呼ぶブレイマーをレキが躊躇なく始末したことで、亀裂はより深いものになっていた。
 辛気臭さも最高潮に達したところで、エースの提案で「ゴールドクロスストリート」なるカジノ街に立ち寄ることにする。そこで会ったのがユナイテッド・シティで「狩り」をしていた、財団おかかえのブレイムハンター・ヤマトとその仲間たち。彼らの適当さと明るさも相まって、一行は少しだけ、前向きさを取り戻したように見えた。
 そして当初の目的地にしてフレイムメンバーの合流指定地・北方の街イリスに辿り着く。

■ACT.16 デビルパーティー

 フレイムメンバーは皆無事にイリスに到着していた。再会を喜び合うのも束の間、どこから嗅ぎつけたのかイーグルが一個小隊を率いてイリス入りしたとのこと。ブレイムハンターのヤマトの助けを借りて何とかやり過ごすも、そこへ今度はブレイマーの大群が襲来。ユニオン小隊と、ブレイムハンター、そしてフレイムが共同戦線を張るという奇妙な状況が生まれた。

■ACT.17 パラドックス

 都市イリスはユニオン本部に応援を要請。返答は「イレイザーキャノン」の発射、それに伴う街の放棄であった。イリス側はこれに反発、もともと持っていた財団製のシールド「アンブレラ」でキャノンに対抗し、何とか全壊をまぬがれることができた。
 ユニオン本部の傲慢なやり方に不信感を抱いたイーグルは、なんとそのままフレイム、ヤマト率いるブレイムハンターたちと手を組むことに。

■ACT.18 タイトロープウォーカー

 奇妙な同盟を結んだ三勢力は、クレーター攻略のためブリッジ財団を形だけでも味方につける計画を立案。最終的にはレキの体を実験台提供することで、ブレイマーに感知されなくなるシステム「ハイドレインジア」を使用する許可を得た。

■ACT.19 スイッチ

 「ハイドレインジア」の完成を待つ間、レキたちはタウン・スプリングに身を寄せることした。
 レキはひとり、ローズのために自分が贈ったピアスを探すためロストシティに戻った。そこでデッド・スカルの待ち伏せにあう。シバの挑発に乗り、無謀にも一人で応戦するレキ。絶体絶命のピンチに、タイミング良くフレイムメンバーが駆け付け、形成逆転。事態はいつも通り収束に向かうかのように見えた。
 しかし、今回だけは違った。レキは制する仲間を振り払って、シバにとどめをさすべくトリガープル。それを止めたのは、イーグルの銃弾だった。レキをあっさり撃ち抜いたイーグルに対して、今度はハルが逆上。レキとハルの間に長く纏わりついていたわだかまりや、不信や、くだらない意地がここにきてようやく洗い流されたように見えた。

■ACT.20 キミノタメニフルアメ

 雨降って地固まったフレイム、レキの元に更に朗報が舞い込む。ローズの意識の回復である。レキとローズは、それぞれに想いとそれに伴う覚悟を確認した。

■ACT.21 ペルソナ

 対ブレイマーの「ハイドレインジア」システムが完成し、いよいよ作戦決行の日が近づいた。
 前夜、景気づけに酒盛りをするフレイム、イーグル部隊、ブレイムハンターの面々。その輪からレキは一人抜け出す。──自分の体の異変には、少し前から気が付いていた。タイムリミットが目に見える形で表れたに過ぎない。幸いにして残酷なのが、それが「自分にだけ分かる」という点か。
 レキは嘘をつかない。嘘をつけない、すぐ顔に出る。それがフレイム内で共有されているレキの代名詞だ。だから彼はそれを守らなければならなかった。一度ついた嘘を最後の最後まで貫き通す覚悟を決めていた。

「俺にもう、隠してることないよな?」
ハルが問う。問われたからまた笑って嘘をつく。
「ないよっ」

 終わりがくるまで、「フレイムのレキ」でいよう。それがたぶん、生きていく上で一番素敵で一番幸せな嘘だから。


ACT.22~FINALはクライマックスとなります。是非、本編でお楽しみください。
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