Tiny Mythical Crusade ─OUTLINE─

Chapter 10  Tactile World


 スイングがくれた最後のチャンスに従い、クレスは全員をつれて撤退する。
ウィーム村のフレッド宅に王族もけが人もごちゃ混ぜで居座ることになった。
 皇女は、例の赤い髪の少年がもとはファーレン十三世の直属の預言者であったこと、月食の日にルーヴェンス側に寝返ったことなどを話した。そしてその少年が「大罪」を操り、多くの兵はその能力を恐れルーヴェンスに従っていることなどもだ。

 大罪──前世で犯した悪行は来世で償われなければならない、の観念のもと原因不明の身体の不調や自然災害など、身に起こる災厄を人々はそう呼んだ。全ては前世で犯した悪行の報いとして現世の者が背負う業である。
それがこの世界の通念であった。

 なにはともあれ態勢を立て直すため、フレッド、クレス、ルレオは再度隣国ベルトニアに向かうこととなった。
「脅威にも希望にもなれる存在だったが……どうやらそちらの方向を選んでしまったようだな。」