北の大陸を後にする上で気がかりだったのはシルフィの所在。
フレッドは自らの責任において少女をベルトニアに連れ帰ることにした。
しかしすんなり帰還とはいかない。ミレイの予知でルーヴェンスの進軍を知り、一行は先手を打ちに第二ライン【海境】へ向かう。
そこで目にしたのは従来のファーレン艦ではなく、セルシナ皇女の即位に合わせて開発されていた大型汽船、そして立ちはだかったのは、またもやフレッドの親友であるニースだった。誤解は解けぬまま、フレッドは再び彼に剣を向けるしかなかった。
ルレオたちの参戦により船内は混乱、その隙に乗じてクレスはルーヴェンス艦──皇女の船になるはずだった──の船底に穴をあける。船と共に沈む思い出に無力さを噛みしめながら、クレスはただ黙って海を見続けた。