ラインはすでにファーレン軍に包囲されていた。
ベルトニア兵の計らいでフレッドたちは何とかファーレン市街にくだるが、連戦により体力は底を尽きかけていた。
そんな中、騎兵隊との一戦でルレオが負傷する。ファーレン城門を破るための砲弾手の役を担っていた彼は、その役をフレッドに託す。
幸い砲弾は城門に見事命中、一気に反撃へ転じようとした矢先のことだった。
王都上空を埋め尽くしたファーレン軍艦の群れに、フレッドたちは戦意を失う。ルーヴェンスの乗る母艦に搭載された世界最大級と名高い主砲は、完全にフレッドたちの立つ大地へ向けられていた。
クレスたちも、反旗を翻したニースも、皆成す術なく主砲の発射を見送るしかなかった。
しかし事態は文字通り「一瞬」の間に180度変わった。
シルフィが時間を止め、何故かその間唯一動くことができたフレッドが、砲弾を真っ二つにたたき割る。 かくしてルーヴェンスは確保され、ファーレン奪還は成功する。
フレッドたちの長い長い革命は終わりを迎えたように見えた。しかしこれが、これから始まる──すでに始まっている── 本当の革命の前座に過ぎないことを、このときはまだ、限られた人間だけしか知らなかった。